【読書感想文】「本を選んだ理由」が書けないあなたへ──親子で納得できる選び方と書き方のコツ

はじめに:読書感想文は「なぜこの本を選んだのか」から始まる
「読書感想文を書いて」と言われたとき、多くの子どもたち、そして親御さんが最初につまずくのが“本を選んだ理由”の部分です。
とくに20~40代の子育て世代パパママにとっては、「うちの子、いつも“なんとなく”で選んじゃう…」と悩んでしまうポイント。
でもご安心ください。この記事では、感想文の書き出しに使える“本を選んだ理由”をしっかりと掘り下げ、言葉にできるようにお手伝いします。
最後に、本文で解説する具体的なステップをまとめたテンプレート(word)を“プレゼント”しますので、ぜひ読書感想文の作成にお役立てくださいね♪
なぜ「選んだ理由」が大切なの?
「なぜその本を選んだのか」を書くことで、読書感想文に説得力が生まれます。たとえば、ただ「あらすじを書いただけ」の文章と、「どうしてこの本を読もうと思ったのか」が伝わる文章では、読み手の印象がまったく違ってきます。
「この本を選んだ理由」は、その人の価値観や興味関心を映し出す“鏡”のようなもの。そこがしっかりしていれば、読みながらの気づきや学びにもつながっていきます。
そして、この理由を具体的に掘り下げることで、「自分だけの物語」が浮かび上がり、読書感想文がただの宿題ではなく、自分の心の動きを表現する“作品”へと変わっていきます。
本を選ぶときに使える3つのステップ
ステップ①:選ぶ前の問いかけをしてみよう
まず、お子さんと一緒に、次のような問いかけをしてみてください。
- 最近、何に興味がある?(例:動物、宇宙、学校のこと、家族)
- どんな物語が好き?(例:冒険、感動、笑える話、少し怖い話)
- 前に読んで面白かった本は?なぜ面白いと思ったの?
こうした会話を通じて、「どんなテーマや雰囲気の本に心がひかれるか」を自然に探っていきます。
たとえば、「最近友達とケンカしちゃった」と話す子には、友情がテーマの物語を、「最近ペットを飼い始めた」という子には動物が登場する作品を選ぶのもおすすめです。
ステップ②:手に取ったときの気持ちを深掘りしよう
実際に本を手に取ったら、「なぜその本を選んだのか」をもう少し深く掘り下げていきましょう。
- 表紙のどこが気になった?(色、絵、キャラクターの表情など)
- 題名の言葉のどこが印象的だった?
- あらすじを読んだとき、どんな気持ちになった?
- 誰かにすすめられた場合、その人がすすめてくれた理由は?
「なんとなく選んだ」を「ここが気になったから選んだ」に変えることで、感想文の導入部分が一気に具体的になります。
例:
この本を選んだのは、表紙に描かれていた主人公の少し寂しそうな表情が気になったからです。ちょうど、私も新しい学校に行くのが不安で、その表情に共感したからです。
ステップ③:「選んだ理由」と「読後の気持ち」をつなげる
本を読み終えた後は、「選んだときの理由」と「読んで感じたこと」をリンクさせてみましょう。
たとえば、
- 「表紙の明るい雰囲気が楽しそうだった」→「読んでみたら、主人公が前向きに頑張る姿に元気をもらった」
- 「動物が出てくる話が好きで選んだ」→「読んだ後、命の大切さについて考えるきっかけになった」
こうすることで、読み終えた後の気づきや感想がより自然に、そして説得力をもって書けるようになります。
読みながらの気づきを残す工夫も大切
本を読みながら、「おもしろい」「悲しい」「びっくりした」など、心が動いた瞬間を小さなメモに残しておくと、あとで感想文を書くときの材料になります。
たとえば、本の中で心に残ったセリフや場面に付箋を貼ったり、ページのすみに小さく「感動した」などと書いておくだけでも十分です。
読書が終わったあと、親子で「どの場面が印象に残った?」「どんな気持ちになった?」と振り返る時間をつくることで、感情の整理ができ、より豊かな感想が書けるようになります。
書き出し文の具体例
実際の読書感想文では、次のような形で「選んだ理由」から書き始めるとスムーズです。
例:
私がこの本を選んだのは、友だちが「とても感動したよ」と言って貸してくれたからです。本の表紙に描かれた青い空と小さな子どもの後ろ姿が印象的で、どんなお話なんだろうと気になりました。
この本を選んだ理由は、タイトルに「ふしぎ」という言葉が入っていたからです。私は昔からふしぎな話や謎解きが好きなので、読んでみたいと思いました。
図書館でたくさんの本の中からこの本を選んだのは、主人公の年齢が自分と同じだったからです。共感できる場面が多いかもしれないと思ったからです。
こういった「自分の体験」や「気持ち」と結びつけると、文章が読み手の心にも届きやすくなります。
まとめ:親子の対話から始まる感想文づくり
読書感想文の「選んだ理由」は、子ども自身の気持ちや価値観を表すとても大切な部分です。
なんとなく選んだのではなく、「なぜこれを手に取ったのか」をしっかり言葉にできれば、読書体験そのものが深くなり、感想も自然と豊かになります。
親子で本を選ぶところから、読後の気持ちの整理までを一緒に取り組むことで、ただの宿題を超えた“対話の時間”にもなります。
ぜひ、今日から本を選ぶときに「どこが気になった?」「どんな気持ちで読んだ?」と声をかけてみてください。